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4 ソフトクリームを食べてから本題に入りたい

Author: 栗栖蛍
last update Last Updated: 2025-05-16 08:07:36

 駅前の大きな平屋建ての一角にあるのが『田中商店』だ。

「あぁ俺この間、編入試験で来た時に、ここでアイス食ったよ」

 ガラス扉の上に掲げられた看板を見上げながら、智が先導する咲に続いて店へ入った。智の家は、芙美たちとは反対路線の多野(たの)という駅が最寄りらしく、帰りの電車が来るまで1時間以上も待たされたのだという。

 「へぇ、そうだったんだぁ」と可愛い子ぶる咲に不信感を抱く湊が、芙美にこっそりと耳打ちした。

「アイツ何企んでるんだ?」

 咲の提案で強制的に開催となった『智の歓迎会』だが、その目的が他の所にある事を湊は知らない。智から過去を聞き出すのは、もしかしたら彼にとって都合の悪い事なのだろうか。

 「えっと」と口籠る芙美に、湊が「荒助さんもなの?」と諦め顔で席に着いた。

 店内はそれほど広くなく、奥に並んだ二つの棚に雑貨や食品がパンパンに入っていて、手前にはレジカウンターと花柄模様のビニールクロスが掛けられたテーブル席が三つあった。スピーカーから流れてくるFMラジオは、軽い音楽に乗せて人生相談の真っ最中だ。

 一つだけ空いていた隅のテーブルに咲の指示で男女向かい合って座ると、先に頼んでいた四つのクリームソーダが運ばれてきた。

「失礼しまぁす」

 トレイを片手に笑顔全開でやってきた女に度肝を抜かれて、智がギョッと目を丸くする。下着のラインギリギリまで短いホットパンツを履いた彼女は、細い生足を惜しみなく披露して、身体のラインがハッキリと分かる白のTシャツを着ていた。上につけたエプロンが豊満な胸を強調させるが、智は咲の視線に気付いてサッと目を逸らす。

「全く、男ってのは好きなんだから」

 さっきまで可愛い女子を装っていた咲が、すっかり素に戻ってニヤニヤと笑みを浮かべている。「しょうがないだろ」と開き直る智の横で、湊は自分への飛び火を警戒して面倒そうにそっぽを向いた。

「この間来た時は、別の店員さんだったんだよ」

「私が忙しい時は、近所の人に手伝って貰ってるのよ」

 店員の女性は、にっこりと笑む。

「絢(あや)さん、今日はもうこっちなんですか?」

「えぇ。部活動も休みだから、始業式だけ出て戻ってきたの。そこの彼、転入生なんですって?」

「は、はい」

「絢さんはここに住んでて、私たちの先生もしてるんだよ」

 緊張を見せる智に、芙美はクリームソーダの上でくるくるとスプー
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  • いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて、お兄ちゃんは妹の親友(女)になる!?   50 アイツは僕の妹だった

     エレベーターを十階で降りて、蓮は眺めの良い通路に並んだ扉の一番奥を開いた。 綺麗だけれど殺風景な部屋だ。人の居る気配がまるでなく、咲はモデルルームのようだと思ってしまう。パーティでもできそうな広いリビングには最低限の家具だけあって、隣の和室はがらんどうとしていた。半分開いたウォークインの中には、引っ越し会社のダンボールが敷き詰められている。「何もない部屋だな」「おじさん独身だし、色々考えてるんだろうね。ところで咲ちゃんはご飯食べてきた?」「蓮は?」「俺は食べたけど……」「じゃあいいよ。さっきクリームソーダ飲んだから」 考えることが多すぎて、食べることが後回しになってしまう。コンビニで買ったお茶を半分だけ飲んで、胃が満足してしまった。「クリームソーダって、芙美が好きなやつじゃん。ちゃんとご飯食べなきゃダメだよ。米ならあるけど、どっか食べに行こうか?」「米があるなら炊けばいいよ。外には出たくない。キッチン借りてもいいか?」「いいけど。作ってくれるの? この間のカレーうまかったよ」「料理は得意なんだ。おにぎりならすぐできるだろ?」 リビングとカウンターで仕切られたダイニングキッチンに入って、咲は冷蔵庫を開ける。住人が不在だから空なのは予想していたが、冷蔵室はコーラとビールと水で埋まっていた。「うわぁ。このお酒、蓮も飲むのか?」「おじさんが置いてったやつだよ。飲んでもいいよって言われてるから飲むけど。俺、一応二十歳だから」「うちのアネキと一緒だな」 そんな話をしながら、咲はといだ米を小さな炊飯器にセットする。蓮は手伝おうとしてくれたが、あまり役には立たなかった。「そういえば今日芙美が浮かれて帰って来たけど、学校で何かあった? 咲ちゃんからのメールにも書いてあったけどさ」「あぁ、何かあったんじゃないかな」 芙美が湊と学校をサボった事を告げ口するつもりはないが、彼の言葉から二人を想像すると嫉妬心しか沸いてこない。 不機嫌に頬を膨らませる咲に、蓮は、「咲ちゃんの悩みって、もしかしてそれが原因だった?」「そうじゃない。アイツらのことはいいんだ。私が話したいのは……」 咲はソファへ移動して、少し頭の中を整理する。蓮は隣に座るのかと思ったけれど、テーブルを挟んだ向こう側へ行ってしまった。 頭の中に過去やリーナのことを並べていざ話をしよ

  • いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて、お兄ちゃんは妹の親友(女)になる!?   49 そういうのは無防備って言うんだよ

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